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医療観光~世界第1位

 

 ある調査では,マレーシアの医療設備の先

進度は世界第3位にあるとも言われており,

イスラム圏という特性も活かし,アラブやイ

ンドネシアからの富裕層などから多くの医療

観光の受け入れを国策として実施しています。

 医療観光といえば日本ではまだ馴染みがな

いかもしれませんが,世界的な健康寿命への

関心の高まりも受け,全世界で1,000億ドル

以上の市場規模があり,年平均の成長率が9とも言われています。

 そんな中,マレーシアにおける医療観光受入数は65万人(2011年)であり,米国(50万人)

MHTC(マレーシア医療観光協会)HPより

を上回る世界第1位でした。(Youngman(2012)調査,ちなみに日本は本調査のTOP30位にすらランクインしていませんから,逆に日本はまだ「伸び代」が十分とする見方もあります。)

 私自身,以前,ある大病院を見学する機会に恵まれたことがありましたが,その様子は私たち日本人が抱く病院像を一変させる程のインパクトでした。高級感溢れる院内のインテリアのみならず

世界にまだ3台ほどしかない先進医療機器を導入したり,病院建設のためには交通インフラのみならず周囲の街も含め一体的に開発をするなど,まさに「病院城下町」形成するほどの開発力があります。 

 さらに驚くべきことに,逮捕する権利さえある「自前の警察」すら有する病院さえあるのです。

   こうしたヘルスケア関連産業の強化は,現在のナジブ(首相)政権下でも推し進められており,今後,高所得を生み出すであろう12の主要経済分野の1つに掲げられ,医療観光のみならず,ジェネリック医薬品の製造・輸入増加等の多数のプロジェクトが進行しています。

 

【参考文献】

アジアの国際医療観光:実態と成長要因 公益財団法人国際東アジア研究センター 戴 二彪 

マレーシアにおける医療・社会福祉サービスに関する調査報告書 JETRO ほか

 

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退職者ビザ~英語通用圏の強み

 

 みなさんもご存知かもしれませんが,マレーシアでは,他のいくつかのASEAN加盟国と同様に,おもに先進国のシニア層をターゲットにした10年間有効で更新可能な長期滞在ビザの制度があります。

 マレーシアではMM2H(マレーシア・マイ・セカンドホーム・プログラムと呼ばれています。適用の条件としては,仮に50歳以上の場合,35万リンギット(1,000万円位)以上の財産証明と月額1万リンギット(30万円位)以上の収入(年金)証明となります。

※ これらは適用条件の概略に過ぎませんので,実際に申請を検討される方は詳細をご確認願います。

 先ほどの医療観光の例と同様に,マレーシアでは先進国の多くで少子高齢化が進行している現状を踏まえ,シニア層が健康関連支出を含めた生活全般のコストを極力低く抑えつつも,かつ高品質な生活環境で提供する仕組みを政府としても積極的に取り組んでいるのです。

 マレーシアの在留邦人数は,久しく1万人程度で微増の状況にありましたが,震災の影響もあって2011~2012年には一挙に20,444人と2倍に激増しました。

財団法人ロングステイ財団の調査においては, 8年連続(2006~2013年)で日本人が住みたい国「世界No.1」に選ばれました。

   こうした動きに伴い,「先進国~中進国(マレーシア)~発展途上国」の経済格差を利用して,マレーシアでは外国人の家事労働者(メイド)の受け入れも事業化されており,フィリピン,インドネシア,スリランカ,タイの4カ国から積極的にメイドを受け入れ,公表分だけでもその労働者数は18万人(2013年9月末時点)認可事業者数も350社以上はある(2012年12月末現在)と言われています。

 また近年では,徐々にではありますが,現地で医療・福祉産業を展開しようとする日本の方も現れてきました。これまでも病院とリハビリテーション施設については,マレーシア医師免許がいること等を条件に外資規制が撤廃されてきましたが,今後は,日本人向けの介護関連施設も設立も本格化するかもしれません。

 

【参考文献】

マレーシア基礎情報 2013年版 - 労働政策研究・研修機構 

IDE-JETRO マレーシアの外国人労働者 海外研究員 熊谷聡 資料 ほか

 

 

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