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01

 

 

 「豊かさって何?」・・・いきなり奥深いテーマから入っちゃいました。「マレーシアに来れば,お金で買えない笑顔に出会える。大自然があなたを待っていてくれて,これこそ真の豊かさなのです。」と,こんなことを言いたいのでは全くありません。きちんとした経済的な豊かさの話です。

 ただここでは,「少しカラクリというか,見方に注意が必要です。」と申し上げたいのです。

 では,先ず左の上下2つのグラフを見てください。上の①のグラフでは,「マレーシア人の「稼ぎ」は日本人のたいだい1/3から1/4にしか過ぎませんよ。」という名目GDPを表したグラフです。

 では,次に購買力平価という「実際にその国の物価ではどのくらいのモノが買うことが出来るのか。」という,現実の生活感覚にもっと近い下の②のグラフを見てください。日本とマレーシアの差は1/2まで近づきました。

 以上,ここまでが一般的な経済学に基づく比較です。

では,次に少し補足説明をしたいと思います。

豊かさって何?~経済指標のカラクリ

02

まだまだ若いマレーシア

 

 最初に結論から言いますと,マレーシアはまだまだ若い国です。国家としても現在のマレーシア連邦が出来上がってからは50年ほどしか経っていませんが,マレーシア人自体もとても若いのです。

                      マレーシアに渡航して,最初に空港内を歩いたり,電

 

車に乗って最初に気づくことがあります。それは日本の地方の風景と違って,高齢者にはほとんど出会わないということです。左の③のグラフでもわかりますが,実際,日本(=46.1歳)とマレーシア(27.7歳)とでは中位年齢に親子ほどの開きがあるのです。
 ところでみなさんは,ご自分のもっと若かった頃と現在とでは,どちらが高い給料でしたか。会社の業績や個人で遭遇したリストラなどの変動要素を除けば,グラフ④のように我が国でさえ,日本とマレーシアの中位年齢で比較すれば,2倍の所得差があるのです。別の言い方をすると,既に平均的なマレーシア人は先進国と言われる日本の同年齢の若者と同じような購買力で生活をしていると言えるかもしれません。
 確かにマレーシアの市街を歩くと,歩道の整備,ゴミの投棄などの住民意識の向上,社会システムの改善などの余地を感じることもあります。
 しかし,既に日本を上回る都市化率を達成したマレーシア※の現状を考えると,多くのマレーシア人が隣の先進国であるシンガポールの影響を受けながら,近代的・都会的な生活を享受しているというのは,現実に近い感覚だと思われます。
 
 
※【参考データ】
都市化率:日本1975年,56.8%→2010年,66.8%マレーシア1975年,37.7%→2010年,72.2%
United Nations,World UrbanizationProspects:The 2009 Revisionによる。

03

いつか見た日本の「原風景」?

 

 たまに「じゃあ、今のマレーシアは,日本の何年前の時代に匹敵するのか。」のような議論をすることがありますね。前述のように既に日本よりも高い都市化率や,あるいは日本よりも高いスマートフォンの普及率(2013年,日本49.8%,マレーシア80%,ニールセン調査)などを考えれば,少し「上から目線」の議論にも聞こえますが,「少子高齢化」という1つのベクトルで高齢化のスピードだけに絞れば,下の表にあるように何と日本の50年前の社会の年齢構造に相当します。

 

 

 [Youharman]

 しかもそのスピードは他のアジア諸国に比べても,とてもスローペースで推移すると予測されています。
マレーシアを訪れると,どこか懐かしいアジアの「原風景」に出会えるかもしれません。
 
  ちょっと長くてわかりにくいて、説明ベタですみません。 
 では,よろしければ次の「社会関連」の説明へお進みください。
 
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